海鳥情報の総合センター in 北海道羽幌(7)

1日1便のフェリーで天売島から出航し、
少し波立った海上を走り、無事に羽幌港に到着しました。

2泊3日の羽幌・天売島の旅、最終日の2016年3月20日(日)に、
最後に訪れたのは「北海道海鳥センター」。
帰りのバス発車時刻まで1時間ほど見学することができました。

目次
▼聴いて、見て、触れてわかる。海鳥情報はここで間違いなし!
▼本物には触れられませんが、重さを体感?!
▼ここに来て初めて知った海鳥「オオウミガラス」。でも今は……

聴いて、見て、触れてわかる。海鳥の情報はここで間違いなし!

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羽幌港から歩くこと20分。
海鳥が目的で天売島を訪れる際は、是非ここを旅の最初に訪れることを
お勧めします。
ここは、日本で唯一の海鳥専門施設。羽幌にしかありません。
短い時間で駆け足で見ましたが、行って良かったと思いました。

・どんな海鳥がいるのかが、視覚や触覚、聴覚にも訴える展示で、短時間でわ
かる。
・岩場の模型があるので、どんなところに巣をつくるのかが、現地で観
察しているかのようにわかる。
・パネルが大きいので、目が良くない私にも見やすい。

時間が限られていたので、細かい部分まで見ることはできませんでした
が、
繁殖地、北海道に渡ってくる海鳥の種類の数、重さはこのくらいなど、
初心者にとっては十分な、大まかな情報を知ることができます。

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北海道のごく限られた場所でしか繁殖しないことが、このパネルでわかります。
子育ての環境に適しているかどうかも知ることができます。
海鳥の繁殖地は天売島だけではなく、
渡島大島(おしまおおしま)、松前小島(まつまえこじま)、
大黒島(だいこくじま)、ケンポッキ小島、ユルリ島
知床半島
が現在海鳥の繁殖地となっています。

繁殖の海鳥の種類は各島ごとに変わりますが、
どの島も、繁殖数は減っていたり、
確認ができなくなっている種類もあるようです。

パネル中の渡島大島の説明には、
「過去の人間の捕獲によって、繁殖規模がきわめて小さくなっていて、
現在も回復していません。」
とコメントされています。
さりげなくパネルに書かれていたことを、
ブログを書きながら写真を確認している際に気が付きました。

人間の欲によって減った動物を増やすことは、
お金で解決するような簡単なことではありません。
動物は繊細で、人間の影響を受けやすいのだと思います。

本物には触れられませんが、重さを体感?!

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愛情のこもった海鳥の手作りぬいぐるみがありました。
左端の首の長いヒメウが、何度頭を立て直してもくったりしてしまい、
何とか状態を保っているところを撮影しました。

左から、ヒメウ、ウミウ、ウミネコです。
お腹のところだけ砂のような物が詰められ、頭部と首は綿。
重心がお腹(砂)に集中していたので、
本物の海鳥の全体の体重感覚はつかめているのか、どうかは不明ですが、
意外と重かったです。
手作り感のある展示は海鳥センターさんの熱い想いが伝わってきます。

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こちら、ケイマフリ(模型)。

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ペンギンのような鳥がオロロン鳥(模型)です。
岩場の模型周辺では海鳥の鳴き声が流れています。
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ウトウの巣穴(模型)
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正解は海鳥センターで!
(どうしても正解を知りたい方は私にご連絡を~)

ここに来て初めて知った海鳥「オオウミガラス」。でも今は……

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センター内で大きいパネル。
こちらの鳥は、絶滅した鳥です。

以下、要約した内容です。
——–
この鳥はオオウミガラス。
ペンギンです。飛べない鳥です。

あるとき、人間に発見され、人間がこの鳥を食べたところ、
大変おいしことが分かりました。
飛べない鳥だったため、人間は簡単に捕まえることができ、
大量にその鳥を捕獲しました。
鳥の肉だけでなく、羽毛や油も人間の都合で使うようになりました。
そうこうしていると、とうとうこの鳥は二度と繁殖することなく、
あっという間に地球上からいなくなってしまいました。
——–

海鳥に無知だった私は、
パネルの前でなんとも言えない気持ちになりました。
もしかすると、この事実が早い段階で北海道に伝わっていたら、
渡島大島の海鳥繁殖規模が減ることはなかったかもしれません。

海鳥が減っているのは、
もしかすると原因をたどると、人間なのかもしれない。
どこかで捕獲を過剰にしている所があるのかもしれない。
人間が作ったものが海に流れ、海鳥に何らかの影響があるのかもしれない。
かもしれないと思っていることが本当だとしたら、
オオウミガラスを絶滅に追いやった人間と同じことを繰り返しているのと同じだと思いました。

羽幌と天売島を一人で旅した3月は、
海鳥の繁殖シーズンではなかったのですが、
ここで学習したことを頭に入れて、
次回、ぜひ繁殖シーズン中に訪れたいと思いました。

旅の楽しみは人それぞれですが、
このような施設を訪れ、知識が増え、
また訪れてみたいという気持ちになります。
一度の島旅ではなく、
何度も足を運んで貴重な海鳥たちに会いに行きたいと思いました。