道東の冬を楽しむ!自然も人も食べ物も!(2)

2018年1月27日(土)、28日(日)

北海道釧路に行って来ました。
「ゲストハウス休坂」が2月末で営業を終えるということで。

昨年2017年1月に、釧路の市民団体である「クスろ港」による、
「ひと」めぐりツアーに参加したときに宿泊したのが、「休坂」です。

ことの発端については、前回の記事の冒頭をみていただければと。
道東の冬を楽しむ!自然も人も食べ物も!(1)

今回は「ひと」を中心とした記事になります。

愉快な釧路人。勝手にひとりで「ひと」めぐり。

日中から夕方近くまで、ひとり釧路の街中をブラブラと散策しました。


JR釧路駅の北側にある「古書店 豊文堂」さん。
釧路の市民団体「クスろ港」のひとめぐりツアーから仲良くさせていただいている、
友人おすすめのお店です。
店内に入ると、膨大な数の古書がたくさん!
床にも古書が積まれています。
何か掘り出し物はないかと、棚を眺めていると……
お店を紹介いただいた友人が店内にいました!
旅行の日にちは伝えていましたが、
時間までは伝えていなかったのになんという偶然!
ツアー以来の再会で、とても嬉しかったです。
友人に便乗させていただきながら、店主さんとお話することもできました。
膨大な数の古書ですねと話すと、
「まだまだ倉庫にいっぱいあるのよ」と。
初対面の人でも世間話がお上手な店主さん。
もっと話を店主さんと楽しみたかったのですが、
時間の都合でお店を後に。
今度来るときには、豊文堂さんを目当てに行こう、そう思いました。


ちなみに、豊文堂さんで見つけた文庫本。
「ひとり旅は楽し」。私にぴったりのタイトルです。


お腹が空いて来ました。

そうだ、夏堀に行こう。


▲左が私。右がめぐみさん。
「夏堀」さんは地元だけでなく、釧路周辺のラーメンファンに愛されているお店です。
クスろ港代表の、めぐみさんのご家族が営んでいます。
ひとめぐりツアーでお会いして以来ですが、いつも明るいめぐみさん。
「律儀に来てくれて〜」と、その後トークが絶えません。


▲ゆるキャラ風のイラストでお店を紹介したPOP。
道産の食材を使った夏堀のラーメン。
お母さんが切った千切りネギが元気に飛んでます。

私は塩ラーメンを注文しました。


これが、美味しくてたまらない!
塩味なので、スルスルっといただけます。

ラーメンを味わいながら、めぐみさんとのトークは進みます。
私の性格なのですが、話を聞きながら食べることができないタイプでして……
どうしても箸が止まってしまいます。
「ラーメン食べてくださいね。
私の話はラジオだと思って。
うちの麺、細麺だからすぐ伸びちゃうんで!」
聞き流しのラジオとは思えないくらい、仕事の合間にトークは続き、
お店で働く「夏堀」一家とスタッフさんを次々と紹介いただきました。


家業を手伝いながらクスろ港の活動も行い、マルチタスクをこなすめぐみさん。
自分の時間も取れない中、フリーペーパー制作も行なっています。
JOURNEY?JOURNEY!はクスろ港によるもの。
マチ歩きBOOKは一部のページを担当しています。
さらに、こどもを対象としたプログラミングワークショップもされています。
マルチタスクならぬ、デュアルタスク(同時進行作業)では……と思えるほど。
クスろ港の活動時間はお店の仕事が終わってから。
締め切り間近の時は、副代表のちひろさんと深夜に及ぶことも。

気がつくと1時間近く「夏堀」にいました。
クスろ港の活動を盛りだくさんにお話くださっためぐみさん。
以前、ひとめぐりツアー後のやりとりで、
「元気だけが私の取り柄です」と一文手紙に書かれていました。
なかなか元気が取り柄な「ひと」はいないです。
「ひと」にフォーカスをあてた「クスろ港」の活動の源は、
代表であるめぐみさんはもちろん、
活動を支えるスタッフの皆さんもアクティブで元気な「ひと」です。

前からインスタグラムで気になっていた「喫茶 ボロンジ」。
レトロ感漂う入り口です。
白熱電球がほっと心を和ませてくれました。

入店すると、お客さんとお話していた店主さん。
店内はカウンター数席で、雰囲気がとても良い感じです。

喫茶店はコーヒーに限りると思いますが、
夕日の撮影ですっかり体が冷え切ったため、ココアを注文。
おしゃれなホイップが乗ってます。


▲店内で販売中の渋谷直角さんの本。
カウンターには文庫本の小棚があって、
水木しげるの漫画が1冊、その隣には作家さんの本が1冊……。
ぼんやりするのも良し、本をパラパラめくってみるのも良しです。

突発的な旅人客の私は、旅慣れしているとはいえ、
カウンター席は緊張モノです。
シャイで愉快な店主さんのおかげで、
楽しいお茶の時間が過ごせました。

もっとお話したかったのですが、次の予定がありまして。
評判のガトーショコラも食べたかったのですが、
夕食前ということで、泣く泣く断念……。
また行きます(泣)!

長年の「休坂」ファンがいる理由は、やはり増田夫妻の存在です。


▲街中の仙人 ゲストハウス休坂の増田和美さん。
めぐみさんとお酒をお供に何かを語っています。

「増田節」が織りなす和美さんのトークは、
オチのない内容だったり、
いきなり他の人に話を振ったり、
笑いが絶えないくらいゲストを楽しませます。


▲お母さん的な存在のやよいさん(左)。
当日ゲストさんの英語通訳をしていたクスろ港メンバーのかしこさん(中)、
フィリピンから来ていた英語教師のゲストさん(右)。
※増田夫妻の写真は昨年に撮ったものです。
自然な優しい気配りは涙ものです。
こちらの写真はやよいさんがゲストさんに
独学で学んだ外国語を使って会話をされた時の一コマ。

宿の作業で忙しい中、勉強されている熱心さに感動しました。
言葉が通じてゲストさんとハグも!
世界と繋がる瞬間は、
言葉はもちろん、勉強した人へ敬意だったり、
その行為を受けた人の素直な表現だったり、
「ひと」と「ひと」、それぞれの存在を感じて認め合うことだと思いました。

今回外食をした後に休坂へ戻って来たのですが、
営業終了を名残惜しむ人たちで既に賑わっていました。
男性がほとんどで、女性はやよいさん、私、昨年ひとめぐりツアーでお会いした友人。
一つのテーブルを囲んで、
昔「休坂」をお手伝いしていた「元ヘルパー」さん、
関東から来ていた「休坂歴7年」のひとり旅パパさん、
数人のコア休坂ファンと共に、
増田夫妻の面白トークは絶え間なく続きました。

昨年、和美さんに宿をするまでどんなことをされていたのか、
意外なところからお聞きすることに。
私がかつて競走馬が好きで、
高校時代に引退した馬を新冠(北海道の地域)へ見に行った話から。

「そうそう馬といえば、
北海道を旅をしていた時、日高(新冠の隣り町)で馬をお世話する仕事してたのよ」
和美さんの出身地、奄美大島から随分と離れた北へ旅とは。
冒険心のある旅人だなぁと、私は思いました。

「だけど、なんかね〜、この仕事は違う。
馬の仕事は嫌じゃなかったけど、
この仕事ではないって思ったんだよね〜」と。
詳しい理由は語らずとも、
旅人をしていたという経験から、
「休坂」が誕生する素は既にあったのではないかと思いました。

話し上手、聞き上手な増田ご夫妻。
同席した友人に、昨年お話したことも聞き出したりと、
その場にいる「ひと」のことを気にかけます。
場を和やかにさせる自然で楽しいトークが聞けなくなるのは
とても寂しいです。

20年以上の営んできた宿は、もうすぐ終わることになります。

私はそれほど長年の旅人ではないので、
「宿」について書くのも恐縮ですが、
ゲストハウスが飽和化している昨今、
増田夫妻のように、
ゲスト一人一人に自然と対応できているところはそう多くありません。

人気のあるゲストハウスは実際に行ってみると、
全て自動化されていて、まるでビジネスホテルのようだったり、
人気であるポイントがいまいちよくわからなかったり、
交流もなく心満たされずに宿を後にすることもあります。
※あくまで私の主観でひとそれぞれ好みはあります。そういった宿はその後訪れることはないです。

長年のコアファンや、私のような突発的な旅人がファンになった「休坂」。
決して営業的なサービスではなく、
増田夫妻の純粋に「ひと」が好きで、
旅人に興味を持っていたからこそ、ゲストが再訪して来たのだと思います。
自然に「ひと」を和ませる宿、これから増えていって欲しいなと思いました。