日本の冬を楽しむ!秋田冬のお祭り、上桧木内の紙風船上げ2018

2018年2月10日(土)

冬のイベントは日本の各地で開催されていますが、
秋田県上桧木内の紙風船上げをご存知でしょうか。

私が心そそる、このお祭りを知ったのは、
イラストレーターである益田ミリさんのエッセイ、
「心がほどける小さな旅」を読んだのが事の始まりです。
※ちなみに益田ミリさんは女性誌のコラムイラストでは人気の方で、
ご存知の女性も多いはず。

ちょっとしたコラムやエッセイ、最近では街角のフリーペーパーなど、
地域情報は至る所で不意打ちにやってきます。
今回の旅のきっかけは、
自分の誕生日に購入した「本」の中からです。
文章とイラスト、数枚のモノクロ写真が掲載されています。
中でも、「紙風船上げ」の旅話は静かで楽しそうなお祭り。
ひとりでも大丈夫そう。これは行くしかありません。

お祭りの日は、毎年日にちが決まっています。


▲2018年の紙風船上げのチラシ。秋田内陸線の角館駅で入手したものです。

上桧木内の紙風船上げは、発祥起源から数えると100年以上の歴史あるお祭りです。
毎年曜日に関わらず、2月10日に開催されます。
2018年は連休初日の土曜日。
私は連休や祝日の旅は極力避けているのですが、
今回ばかりは年に1度の絶対に外せないお祭りなので、
とにかく先に宿を予約することにしました。
前年の11月に宿探しをしましたが、希望する宿はどこも満室。
少々宿代は高めですが、角館の「田町武家屋敷ホテル」を予約です。

東京から角館のアクセスは、秋田新幹線こまちが便利です。
秋田空港まで飛行機、東京からは秋田方面の夜行バスがありますが、
体力を消耗せずに行くには、新幹線が一番良いルートかと思います。

連休日初日だとわかっていたはずなのに、
いつも通りの旅の気分で東京駅に到着すると、大変な混雑!
おまけに東京から東北新幹線に乗車するのが今回が初。
関西方面の改札と違っていることもすっかり忘れ、
初っ端から大急ぎで構内とホームを走り回っていました。
自分の座席に到着したのは発車3分前。
旅の思い出の新幹線写真はもちろん撮ることができずでした……。


▲田町武家屋敷ホテル。武家屋敷風の築18年の新し目のホテルです。

いよいよ当日!角館から上桧木内へ行くには

紙風船上げが開催される上桧木内へ行くには、
地方ローカル線の秋田内陸縦貫鉄道を利用します。
1日の本数が少ない鉄道ですが、
紙風船上げの時は臨時列車が増便されます。
ホリデーきっぷを使うと角館から上桧木内まで往復¥1,000で行けます。

▲秋田内陸線のホリデーきっぷB。角館から上桧木内へは”B”タイプです。

16時の便で行けばちょうど良い時間帯につくと見込んで、
角館駅に到着後、秋田内陸線のホリデーきっぷを先に購入し、
遅めの昼ごはんにします。
13時半を過ぎたため、お店はどこも支度中……。
こちらも目測誤りでした。
東京駅で駅弁を買う予定でしたが、連休初日ということで、駅構内はどこも長蛇の列。
食料はマイボトルのお茶のみ。
お腹が空き過ぎて力が出ません。

内陸線のきっぷを買った後、角館駅にタイミングよく秋田犬のイベントがされていました。
彼の名前を聞いて見ましたが、洋風の名前で一瞬で忘れてしまいました……。

▲この後、地面の雪を掘り掘りして、雪を食べてました。

一旦荷物だけホテルに置き、フロントの方から教えていただいた、
「藤八堂」さんへ。
比内地鶏の親子丼が大変美味しかったです!おかげで体力のチャージができました。


▲比内地鶏親子丼。また食べたくなる美味しさ♪

予想はしていたけど、内陸線は満員電車並!


▲秋田内陸線 角館駅。
※ここから記事のメインとなる写真はサイズを大きくしています。

お腹も満たされ、ホテルに戻って防寒対策をしてから再び角館駅へ。
発車5分前に到着したのですが、ホーム入場まで長蛇の列!
テーマパークのアトラクションのような感じです。
事前にきっぷを買っておいて大正解です。

余談ですが、秋田は韓国ドラマIRIS(アイリス)のロケ地でもあります。
(何それ、どんなドラマ?と思われた方は、ネットで検索して見てくださいね。)
内陸鉄道もその場所だったようです。
私もドラマを見ていたのですが、ここに来て言われてみるとそういえば……という感じでした。
(イ・ビョンホンしか見てなかった)


▲写真が脇役の人の写真なのですが、雪だるまのオブジェに気を取られ、
主役のイ・ビョンホンさんとキム・テヒさんの写真を忘れました……。


▲上桧木内駅下車時の写真。2両編成です。

私が乗車した角館16時発の電車は、
本来16時30分ごろには上桧木内駅に到着している予定だったのですが、
20分ほど遅れて上桧木内に到着。17時を回っていました。
途中駅の通過待ちが大幅に遅れ、電車の中も人の熱気で大変で大変で……。
正直、この時点で体力は半減していたと思います。
駅舎の写真など、のんびり撮っている場合ではありません。
混雑の空気を読んで人の流れにそって、
みぞれ状態の足場が悪い中、会場へ向かいます。

雪降る中でも、夜空に上がる紙風船は綺麗!


▲会場に着きました。ステージがあって、至る所で紙風船が上がります。
※個人情報があるため、写真を加工しています。

会場に着いた時間帯は、お昼の部。すでに人!人!人!
三脚持ちのカメラマン達も沢山!
バスツアーもあったようで、駐車場には大型バスが4台ほど停まっていました。

地元の小学校や合格祈願の紙風船が上がっていました。
会場を囲むように、地元の人たちのテントが張られ、
おでんや甘酒など美味しそうな食べ物がたくさんありました。


▲地元小学生の紙風船。シャンシャンに何を願ったのでしょうか。


▲上がった直後は、だいたい真っ直ぐに上がります。母のシンシンと父のリーリーが描かれていました。


▲なぜかどの紙風船も1回は真横に。


▲あ〜、これは落ちるかな……


▲と、思いきや持ちこたえて飛んでいきます。


▲こちらは一斉打ち上げ。


▲雨が降る中次々に紙風船が上がって行きます。


▲テント前に何かの木の枝にくくられた、ミニ紙風船と飴玉。


▲突然花火も打ち上げられ、写真がブレブレです。
この時は本当に綺麗な景色だったので、
ひとりだったけど、「わーっ」と静かに歓声を上げてました。
周りの人たちも、「わーきれ〜」「すごいね〜花火〜」と、
決して派手な歓声ではないのですが、子連れだったり、カップルだったり、
各々が紙風船上げを楽しんでいる光景はとても心に残りました。
残念ながら、この後天候が悪くなり、
今回の紙風船が上がったのを見たのはこれが最後でした。

ある歌手のステージと紙風船のコラボが泣ける!

この時間帯から、雪が強くなり、次々と紙風船は上がらなくなってしまいました。
一度水に濡れて破れてしまった紙風船は、上げることができません。

初めの方に掲載した、紙風船上げのチラシにもありますが、
「奇跡のクリスタルボイス」をお持ちの、松原健之(まつばらたけし)さんの会場ステージもありました。
私は、松原さんを存じていなかったのですが、とても美声!
演歌が心に響いたのは初めてかもしれません。
「みちのくふゆほたる」他をBGMに
紙風船上げは進行します。


▲紙風船は膨らみますが……。


▲飛ばない〜!なぜか私の目の前に落下です……。移動してよかった……。


▲会場内にポツンと置いてあったガスバーナーは、次々に紙風船を送り出します。
スタートポイント的なマークも特になく、気が付いたら人が集まってくる感じです。


▲しっかりと紙風船らしくなってきました。


▲手で支えている人たちは担当者がいるわけでもなさそう。
紙風船に触ってみたい人が隙を見つけて参加している感じがしました。


▲残念ながら、こちらの紙風船は途中で破れてしまいました。


▲会場の真ん中には、大きな焚き火があります。

しばらくして、悪天候で紙風船が飛ばないため、
膨らませるところまでとなりますと、会場アナウンスがありました。
帰りの電車のことも考慮して、早めに会場を後にします。
最後まで見ることができず、とても心残りでしたが仕方ありません。


上桧木内駅近くから撮影した会場です。
天気が良ければとても綺麗な風景だったことでしょう。

帰りの内陸線もまたもや20分遅れ。
電車待ちの人も200人超えとのことで、
私が並んだ付近の人たちは、電車に乗れるかどうか微妙なところでしたが、
なんとか満員電車に乗り込みました。

会場までの道のりは本当に疲れてしまいましたが、
雪が降る中とても寒いお祭りでしたが、心がなごみました。
決してパーティー気分のお祭りではないです。
いろんな世代の人達が、それぞれに楽しんでいて、
地元の人や、観光できている人、外国人の人、家族で来ている人が、
上桧木内という場所に集まって紙風船上げを見る。
ただそれだけなのです。
イベント会場へ向かう道路では、
交通整備をしている地元の人たち、内陸線の駅員さんなど、
たくさんの人達の手で支えているお祭りなのだと思いました。

地元の人との会話といえば、
会場内でカイロを配っていた地元のおじちゃん。
2回目に声をかけてもらった時に、
さっきもらいましたよと言ったのでしが、
「そういうことじゃないの。はい!」と私に差し出しました。
いただいたのは全部貼るカイロでした。
おじちゃんから渡されたカイロを開封し、
私のコートポケットの中で、ほんわか暖をとることができました。

翌朝、おじちゃんからもらった未開封のカイロを思い出してよく見て見ると、

「特殊詐欺に、ご用心!」。
仙北地区の警察署や防犯協会からの呼びかけシールが張られていました。
あ、なるほど。そういうことじゃないって、こういうことだったのか!

今回は、写真をメインに徹した行動をしていましたが、
次の機会はお祭りを楽しむことに徹することができればと思います。

紙風船上げの個人的なまとめ

私が今回学んだこと、次回に活かせればと思ったことを
以下にまとめてみました。
紙風船上げ、私も行ってみたい!と思った方の参考になれればと思います。

・前年の秋頃には宿の予約を。新幹線は乗車1ヶ月前には予約しておく。
・当日まで十分な期間がある場合は、お得なJRの新幹線+宿泊パックも調べてみる。
・角館の到着時間はお昼前でご飯屋さんが営業中の時間帯を狙う。
・例年秋田内陸線は例年2月10日はイベントのため増便。連休が重なる年は満員電車を想定しておく。
・秋田内陸線角館から上桧木内へ向かうには、フリーきっぷBを先に買っておく。
・帰りの新幹線のきっぷは事前に発券しておく。
・防寒対策は完璧に。
・水に染みない長靴があると良い。
・イベント開始前に行くと、地元の人達が作った食べ物を味わうことができる。
・バスツアーも考慮しておく。
・写真を撮るか、楽しむか、どちらかにしておく。
・屋外祭りのため、天候に左右される。
・トイレ渋滞は必須。
・マイボトル持参だと何かと安心。

以上となります。

冬のお祭りといえば、私の地元「さっぽろ雪まつり」しかイメージしていなかったのですが、
郷土のお祭りは、歴史あるものがたくさんあることに気付かされました。
心にも、記憶にも残る旅、これからも続けてみたいと思います。